救助隊ってなに?1分でわかるシリーズ、正式名称、様々な救助隊、消防隊との違い、どうやってなるのか、法令根拠について
救助隊とは、火災や事故、自然災害などのあらゆる災害に対して、救助に関する高度な知識と技術、また特殊な資器材等を使用し、救助を必要とする人々を助ける部隊です。現在ではほとんどの消防本部に配置されており、消防士と言えば「オレンジ色の救助隊」と認知されているぐらい人気のある部隊でもある。
なお、救助隊は法令の中では「人命の救助を行うため必要な特別の救助器具を装備した消防隊」となっています。
⇒ 特別高度救助隊ってなに?1分でわかるシリーズ、救助隊より凄い?、自治体ごとの違い、どうやったらなれるの?
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様々な消防の部隊
※名称は東京消防庁のものを引用しており、地域によって多少異なります。
特別救助隊
あらゆる災害に対応し、一般的に救助隊と呼ばれる部隊である。
さまざまな災害や事故に対応する必要があるため、最も広く知識を有している必要があります。
消防救助機動部隊
主に大規模災害に早期に対応するための部隊である。
特殊な資器材や車両でしか出来ない活動等を行うため、より専門的な知識と技術が必要不可欠な部隊です。
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水難救助隊
海や河川で発生する水難事故等の災害に対応する部隊である。
ほとんどの消防本部に設置されており、救助隊の中でも比較的認知されている方の部隊だと思います。
山岳救助隊
山岳事故等の災害に対応する部隊である。
車両ではなかなか進入できない場所で活躍し、山林の多い地域では整備されていることが多いです。
化学機動中隊
危険物や毒物、NBC(放射性物質、生物剤、化学物質)に関する特殊な災害に対応する部隊である。
消防職員だけでなく、外部の専門家とも連携して災害対応にあたる、特殊部隊の中でも珍しい体制をとっています。
航空消防救助機動部隊
ヘリコプターを活用し、空から様々な災害に対応する部隊である。
他県での災害にも積極的に対応出来るため非常に有益な部隊だが、簡単に配置出来る規模でもないため、大規模な消防本部にしか配置されていない。
消防隊との違いって?
消防隊との違いは、
①主な業務内容
②専門的な技術
③部隊数
④装備
が違いとして挙げることができます。
①消防隊の主な任務は「火消し」であるのに対して、救助隊の主な任務は「人助け(救助)」になります。完全に分離しているわけではないで、火を消しながら人命を救出することもありますし、人命救助をするために火を消すこともあります。
②消防隊も基本的な救助活動は可能ですが、救助隊の専門的な技術は特に高度であり、特殊な訓練を受けていないと成り立たちません。特殊な状況での救助活動は救助隊しか行えないことも多々あるようです。
③消防の最も大きな仕事は火災を鎮めることなので、部隊数も消防隊の方が圧倒的に多く構成されています。
④主な目的が違うため、それを満たす準備している。消防隊は、ホースやその他基本的な資器材が車両に積載されているのに対して、救助隊はホースは積載せず、資器材も消防隊には無いものを積載しています。また、車両自体も救助車にはポンプ機能がなかったりと、その隊ごとに装備が大きく違っています。
どうしたら救助隊になれるの?
各自治体の基準にもよりますが、原則研修による訓練を受けた後に救助隊として活動ができるようになります。
ただ、その研修を受けるために倍率の高い試験を通過する必要がある消防本部もありますし、試験等はなく、希望すれば研修を受けることの出来る消防本部もあります。また、原則全員研修を受ける消防本部もあるようですので、何がなんでもなりたい方は、詳しく調べると救助隊への近道が見つかるかもしれません。
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法令根拠について
救助隊を設置するのに法令根拠があるのを知っていますか?
消防法第36条の2において、「市町村は、人口その他の条件を考慮して総務省令で定める基準に従い、この法律の規定による人命の救助を行うため必要な特別の救助器具を装備した消防隊を配置するものとする。」とされています。これが救助隊の根拠です。
また救助隊の編成や装備の基準については、
「昭和61年自治省令第22号_救助隊の編成、装備及び配置の基準を定める省令」で詳しく定められています。
救助隊はどのくらい必要なの??
原則、救助隊は消防署の数と同数必要とされています。なので原則で言えば全ての自治体に救助隊がないといけないことになります。
ただ、災害の発生状況や人口などを考慮して、必要に応じて増減することが認められています。つまり、自治体によって救助隊の数には差があります。
詳しくはこちら⇒ 特別高度救助隊ってなに?1分でわかるシリーズ、救助隊より凄い?、自治体ごとの違い、どうやったらなれるの?
まとめ
今回は、救助について説明しました。救助隊というと、オレンジ色でロープを渡っている人というイメージを持つ方が多いと思いますが、様々な災害に対応する様々な特殊部隊があることを知っていただければと思います。また救助隊を目指している方は、さらに専門的な分野や新しい分野で活躍できる場所があるかもしれませんので、視野を広く持っていただきたいです。
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